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MTAセメントを用いた歯髄保存について
MTAセメントとは?
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、歯の根管治療や歯髄保存治療において広く使用されている歯科用セメントです。ケイ酸カルシウムを主成分とし、高い生物学的適合性と優れた封鎖性を持つことが特徴です。
歯髄保存治療とは?
通常、虫歯が歯髄(歯の神経)まで達した場合、感染を防ぐために歯髄を取り除く根管治療が行われます。しかし、MTAセメントを用いた歯髄保存治療では、感染が軽度な場合、歯髄を取り除かず、MTAセメントで覆って保護することで、歯髄を残す治療法です。
MTAセメントを用いた歯髄保存治療のメリット
歯の保存
歯髄を残すことで、歯の寿命を延ばすことができます。
痛みの軽減
根管治療に比べて、治療中の痛みや治療後の痛みも少ない傾向にあります。
審美性
歯を削る量が少なく、自然な歯の色を保つことができます。
再ミネラル化
MTAセメントは、象牙質の再ミネラル化を促進する効果があると言われています。
MTAセメントを用いた歯髄保存治療のデメリット
全てのケースに適応できない
歯の感染の程度や位置など、治療できるケースは限られています。
治療費
保険適用外の材料のため、自費治療となります。
その後の歯の治療に係る詰め物やかぶせ物も全て自費治療となります。
治療期間
経過観察期間を設けるため、治療期間が長くなる場合があります。
MTAセメントを用いた歯髄保存治療の適応
深部う蝕
歯髄にまで達しかけている深い虫歯
歯髄露出
歯髄がむき出しになっている状態
治療の流れ
STEP1 診断: 歯の状態を詳しく検査し、治療計画を立てます。
STEP2 麻酔: 局所麻酔を行い、痛みを抑えます。
STEP3 感染部分の除去: ラバーダムを行い、感染した部分を丁寧に除去します。
STEP4 MTAセメントの充填: 歯髄をMTAセメントで覆います。
STEP5 修復処置: 詰め物やかぶせ物を施します。
STEP6 経過観察: 定期的に歯の状態を診ていきます。
まとめ
MTAセメントを用いた歯髄保存治療は、歯の保存という点で大きなメリットがありますが、全てのケースに適応できるわけではありません。治療を受ける際は、歯科医師とよく相談し、メリット・デメリットを理解した上で決めることが大切です。
MTAセメントを用いた歯髄保存治療について、さらに詳しく知りたい場合は、歯科医師にご相談ください。