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痛みがない時に歯科医院を受診する意味―歯の治療を「建物の修繕計画」にたとえて考える―
痛みがない時に歯科医院を受診する意味
「歯が痛くないのに、歯医者へ行く必要があるのだろうか」
そう感じる方は少なくないと思います。
しかし、歯科医院を受診するタイミングは、必ずしも痛みや腫れが出てからとは限りません。
何も困っていない時にお口の状態を確認しておくことで、現在の問題を把握し、今後どのように対応するかを落ち着いて考えられる場合があります。
歯の治療は、建物の修繕計画と少し似ています。
建物は、壊れてからではなく定期的に点検します
住宅やマンションは、雨漏りや大きな破損が起こってから初めて点検するわけではありません。
外壁のひび割れ、屋根の劣化、水回りの状態などを定期的に確認し、
- 今すぐ修理が必要なのか
- しばらく経過を見られるのか
- 将来の修繕に備えておくのか
を検討します。
小さな変化の段階で見つけることができれば、複数の対応方法を比較しながら、時間をかけて計画を立てられます。
歯についても同じように、症状がない時期に状態を確認しておくことが、将来の治療計画を考えるきっかけになります。
痛みが出てからでは、考える時間が限られることがあります
強い痛みや腫れが出てから歯科医院を受診した場合、まずは症状を抑える処置を優先しなければならないことがあります。
患者さん自身も痛みや不安を抱えた状態で説明を聞くことになるため、複数の治療方法について冷静に比較することが難しくなるかもしれません。
その結果、
「とりあえず痛みを取ってほしい」
「今回は早く終わる方法にしたい」
という判断になり、後から別の治療方法があったことを知る場合もあります。
もちろん、緊急時には症状を改善することが最優先です。
だからこそ、緊急性のない時期に現在の状態を知り、将来起こり得る問題について説明を受けておくことが大切だと考えています。
痛みがないから、問題がないとは限りません
むし歯や歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどないことがあります。
日本歯科医師会は、歯に穴が開いていても痛みを感じない場合があり、さらに内部へ進行してから強い痛みや腫れにつながることがあると説明しています。
歯周病についても、痛みなどの自覚症状が少ないまま進行することがあり、歯科医院で歯ぐきや歯を支える骨の状態を確認することが重要です。
厚生労働省も、むし歯や歯周病は症状が現れた時点ですでに進行しているケースがあるため、定期的な確認とケアが大切だと案内しています。
早く見つけることは、すぐに削ることではありません
「早く見つけたら、すぐに治療されるのではないか」
と心配される方もいるかもしれません。
しかし、問題が見つかったからといって、必ずしもその日に治療を始めるとは限りません。
状態によっては、
定期的に変化を確認する
清掃方法を改善する
フッ化物などを活用して管理する
写真やエックス線画像を記録して比較する
将来の治療に備えて計画を立てる
といった対応を検討できる場合があります。
一方で、進行する可能性が高い問題や、放置することで治療が難しくなると考えられる状態については、必要な治療をご提案します。
大切なのは、問題を見つけた時点で一律に治療することではありません。
現在の状態、今後の見通し、治療を行う利点と行わない場合のリスクを整理し、患者さんと相談しながら方針を決めることです。
歯科医院では何を確認するのでしょうか
定期的な受診では、むし歯の有無だけを確認するわけではありません。
お口の状態に応じて、次のような項目を確認します。
むし歯や治療済みの歯の状態
歯ぐきの炎症や歯周ポケット
歯垢や歯石の付着状況
詰め物や被せ物の状態
噛み合わせ
入れ歯の適合状態
舌や頬など、お口の粘膜
歯磨きが難しい場所
噛む力や飲み込む機能
必要に応じてエックス線撮影を行うと、歯と歯の間、治療済みの歯の内部、歯を支えている骨など、直接目で確認しにくい部分を調べることができます。
検査内容や受診間隔は全員同じではありません。年齢、現在の歯の本数、むし歯や歯周病の状態など、それぞれのリスクに応じて考える必要があります。
特に一度確認していただきたい方
次のような方は、現在痛みがなくても、一度お口全体の状態を確認することをおすすめします。
数年以上、歯科医院を受診していない
治療途中の歯がある
詰め物や被せ物が多い
歯ぐきから血が出る
歯が以前より長くなったように見える
食べ物が挟まりやすくなった
入れ歯を長期間調整していない
歯ぎしりや食いしばりがある
糖尿病や高血圧などの治療を受けている
骨粗しょう症の薬を使用している
受診したからといって、必ず治療を始めるわけではありません。
まずは現状を知り、今すぐ対応することと、将来に向けて考えておくことを分けて整理することが目的です。
片山歯科医院が大切にしていること
大阪市住之江区の片山歯科医院では、検査によって問題を見つけることだけでなく、その内容を患者さんに理解していただくことを大切にしています。
「なぜ治療が必要なのか」
「経過を見ることはできるのか」
「どのような治療方法が考えられるのか」
「治療をしなかった場合、どのような変化が予想されるのか」
こうした点を整理し、できる限り分かりやすくご説明します。
歯を長く守るためには、必要以上に治療することも、必要な治療を先延ばしにすることも望ましくありません。
現在の状態を正確に把握し、その方にとって必要な時期に、必要最低限の介入を行うことが大切だと考えています。
症状がない時こそ、将来の計画を考える時間です
建物は、大きく壊れてから慌てて修理するよりも、問題が小さいうちに状態を確認し、修繕計画を立てる方が、対応方法をじっくり検討できます。
歯も同じです。
痛みがない時期に受診することで、
- 現在のお口の状態を知る
- 今すぐ治療が必要かを判断する
- 経過観察できる部分を整理する
- 将来必要になり得る治療について考える
ための時間を持つことができます。
「特に困っていないから、まだ大丈夫」と考えるのではなく、困っていない時こそ、一度お口の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
しばらく歯科医院を受診していない方も、お気軽にご相談ください。
大阪市住之江区御崎
片山歯科医院

