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歯科用CT、実は「撮ればいい」わけじゃない?
「歯科用CTで撮れば安心」は本当?ストリートビューに例えて解説します
こんにちは。片山歯科医院の院長です。
最近、患者さんから「せっかくならCTで詳しく撮らなくていいんですか?」というご質問をいただくことがあります。最新の設備に興味を持っていただけるのは嬉しいことですが、実は歯科医師からすると、「CTを撮ればいいというわけではない」という裏話があります。
今日は、なぜあえて「CTを撮らない選択」をすることがあるのか、その理由をお話しします。
レントゲンとCTは「地図」と「ストリートビュー」
この使い分け、実はGoogleマップに例えると非常に分かりやすいです。
- デンタルX線(普通のレントゲン)は「地図」 「どこに何があるか」「全体としてどうなっているか」をパッと把握するのに最適です。骨折しているのが地図上で明らかに分かるなら、それで診断は十分。わざわざ別のツールを開く必要はありません。
- 歯科用CTは「ストリートビュー」 「建物の影に隠れているものは?」「この段差の高さは何センチ?」といった、特定の場所を立体的に、より深く見たいときに使います。
「とりあえずCT」がおすすめできない理由
「情報が多いなら、全部CTでいいじゃない」と思われるかもしれません。しかし、以下の2つの理由から、私たちは慎重に判断しています。
1.被曝量とコストの最適化 必要のない検査は、患者さんの体への負担(微量の被曝)と費用の負担を増やすだけになってしまいます。
2.レントゲンの方が「よく見える」こともある 実は、詰め物の状態や小さな虫歯の有無などは、2Dのレントゲンの方がくっきり鮮明に映る場合があるのです。
私たちがCTを「使うとき・使わないとき」
例えば、整形外科で骨折がレントゲンでハッキリ分かっているのに「追加でCTも撮りましょう」と言われたら、「えっ、必要ある?」と思いますよね。歯科も同じです。
- 使うとき: インプラントの埋入、親知らずが神経に近い場合、原因不明の痛みがある場合など(ストリートビューで詳細確認が必要なとき)
- 使わないとき: 通常の虫歯治療、定期検診、全体像の確認など(地図で十分なとき)
まとめ
当院では、「患者さんにとって必要十分な検査」を大切にしています。 「なぜ今回はCTを撮らないのか?」「なぜ今回は撮る必要があるのか?」 それは、プロとして最短距離で、かつ体への負担を最小限に抑えて最善の診断をしたいと考えているからです。
もし不安なことがあれば、いつでも「この検査はどうして必要なの?」と聞いてくださいね!
参照先サイト 日本歯科放射線学会 歯科用コーンビームCTの臨床利用指針(案)第1版
